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裏・英造がゆく ~フィリピン起業編~ 31 [フィクション]

大造は、又場に断りを入れると、シャワーをして着替えることにした。
とんだ粗相をしてしまったが、あまりに緊張したので、漏らしてしまったのである。
娘を持つ父親のような心境なのであろうが、どうなのであろう。
相変わらず、何時まで経っても、度胸の据わらない大造ではある。
着替えると、改めて又場の前にでた。

今度は、少しは落ち着いている。
又場は、水野晴男のような笑顔で、ニコニコ笑いながら椅子に座って待っていた。
『所で、西村さん、リンリンさんのことですが・・・』
『はい!』
『私の嫁に頂きたいのですが・・・』

大造は、想像通りの言葉が又場の口から出てきたので、一瞬何故かほっとしてしまった。
愛する、テンの妹である。
今回の話がなければ、将来、他の男に遊ばれて、捨てられることだってあるであろう。
そうなると、ここでしっかりとした男に委ねるのも悪くない話である。
大造は、シャワーをしながら、そう考えるようになっていた。

『しかし、肝心の妹の方は・・・・・?』
『あっ、昨日の夜その話はさせて頂きました。』
『お義兄さんと、テンさんが良ければと、云って頂いています。』
『そ、そうですか?』
大造は、これなら観念するしかないな・・・、と思い始めていた。

考えて見れば、良縁であるかも知れない。
人間性においても、経済力においても、又場が適任であろう。
大造は、最後には二つ返事で承諾していた。
こうして、リンリンを巡る恋の騒動は幕を閉じた。
又場医師に、奥様リンが登場した訳である。

何とか、辻褄を合わせた格好の作者ではあったが、今度はリンリンの後釜を探さなくてはならない。
おっと、これは大造の役目か!?
あと1ヵ月半残っていた休暇を利用して、又場とリンリンは無事に結婚し、日本での在留許可が出るまでの3ヶ月は、リンリンは、大造達の店で働いてくれていたが、彼女が日本に飛び立った後は、別の女の子を捜さなくてはならなかった。


ひとりで考え込んでいると、その様子に気が付いたテンが尋ねた。
『どぅしたの 大ちゃん?』
『いや… リンリンの後釜の事で どーしようかと……』
『あー、それなら良い娘がいるわ。実はリンリンには幼い頃に里子に出した双子の妹がいて 来週マニラに出て来るのよ。』
名前は ランランと言うらしい。
なんでも… 昔 日本に出稼ぎに行った叔父が日本で食べた中華料理の味が忘れられず
親戚の集まりでは 必ず こう言ったとこから 安直に名前が付いたらしい。
『日本の中華料理の味は 超群とは比べ物にならないよ。また食べたいなー リンリンランラン龍園♪』

今まで 聞いた事も無い 新たな妹の出現に少なからず驚いた大造であったが、
考えてみれば ここは 何でも有りの国 フィリピンである。 
昨日まで、義姉の子供だと言われ、そうだと信じていた子供が
ある日突然 自分の子供になっちゃっても 全然 珍しくない国なのである。

まだ見ぬ 新たな義妹の急な出現ではあるが
信頼と言う点では、親戚関係が一番いいのであろう。
里子に出したとはいえ、その後も交流は続いていたらしい。

テンの話によると、大造とテンの結婚式にも リンリンと共に出席していたらしい。
リンリンにも気を止めていなかった大造には ランランとて気が付かなかった。

結局、考えるまでも無く、テンの希望も有り ランランを採用することにした。
彼女は、もちろん双子であるので リンリンと顔は良く似ているが、
育った環境のせいか 少し垢抜け無い感じのする 純朴そうな子であった。

客捌きは上手そうで、愛想もいいのが、大造には気に入った。
問題点と言えば、リンリンを又場先生に横取りされた 英造である。
テリーシャと再会し、丸く収まったと思われた英造で有ったが、そうは烏賊の金○…、
過去の行いの災いか、テリーシャとの間にモンダイが起きていたので有った!



続く・・・・・ のか?

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